更年期障害・骨粗 鬆 症の治療の手段として、 ホルモン補充療法  HRT があります。ホルモン療法の有害性・副作用を強調した情報を目にされたことのある方は、強い不安感をお持ちかもしれません。

  そういう情報の一つに、アメリカでの心臓病治療に女性ホルモン(エストロゲン、プロゲスチン)が用いられた場合の治療効果の報告があります。 更年期障害症状の改善、骨折予防、消化器癌の発生予防効果は非常に強く認められた半面、脳卒中、乳がん、心臓発作の発生率の上昇が認められたというものです。

  この報告を受けての見解を、上村院長に聞いてみましょう。

Q :アメリカで HRT 治療により、脳卒中・乳がん・心臓発作の上昇が認められたときいていますが?
  注意しなくてはならないのは、患者さんの背景が違うということです。アメリカ人の心臓病患者は肥満患者が多く(身長150cmで64kg、160cmで73kg)、日本人の平均からは、はるかにかけ離れています。

  肥満は、乳がんや血栓症の重要な危険因子です。もともと危険因子をもった人たちのデータは、肥満していない日本人のデータと比較しても当てはまらないと思います

Q :副作用があると聞きましたが?
どの報告でも、 3 年間の服用では副作用は認められていません。したがって、まず 3 年間の治療では、問題なしと考えます。
  乳がんのリスクも、脳卒中・心臓病のリスクも、 3 年以内であれば特に問題ありません。

Q : HRT とがん発生率の相関関係は?
HRT 治療を長期に行った場合に、乳がんの発生率が上昇する報告は以前からあります。ところが、乳がんの死亡率にたいしては、 HRT 患者のほうが低下しています。
  患者さんは、毎年乳がん検査を行うことで、早期発見率が上がり、死亡症例は HRT 患者の方が少ないのです。
  体癌の発生率は HRT 患者様 の方が少なく、消化器癌の発生も予防されます。

Q :では、効果があるのですね。
  当然、 更年期症状、骨粗しょう症の予防効果は非常に強い とされています。

Q : HRT 治療に対する先生の見解をお願いします。
  子宮ガン(頚部、体部)、乳がん、骨量検査を年一回、肝機能、出血傾向、コレステロールなどの採血検査を半年に一回、女性ホルモン採血検査を 4 ヶ月ごとに行い、女性ホルモン値を必要最小限に保ちながら、まず 2 年間の HRT 治療であれば問題は無いと考えます。

  また高脂血症に対しても、パッチやジェルなど 経皮的な投与製剤や新しい低用量の内服剤はとくに問題ありません。

  さらに2年目以降の治療に関しましては、 1 年に一回の総検査の後、その後の治療継続はリスクを相談しながら決定させてもらいたいと思います。
  なお、若年女性の卵巣機能不全に対するホルモン治療は現在のところ問題はなしとされています。


 
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