更年期障害の治療というと、ホルモン補充療法がまずあげられます。しかしホルモンと聞くと、不安な気持ちを持ってしまう方も多いのではないでしょうか。
 充分なインフォームドコンセントをしてもらい、よく納得して治療してもらっている。でも、なんとなく、長く続けたくない、症状が無くなれば中止したい、と思ってしまう。
 そういう方が多くおられることと思います。

 更年期障害に大豆イソフラボンが効くらしい?と話題になっています。自然食品・サプリメントとしてよく売られている大豆イソフラボン。これってほんとうに効果があるのかしら?
 上村先生が、患者さんに使ってみた感じを聞いてみましょう。

Q :大豆イソフラボンってどういうものなのでしょうか?
 大豆イソフラボンは大豆の胚芽部分に多く含まれており、女性ホルモンのような作用を有すフラボノイドです。
 更年期障害の諸症状を予防する効果があるとされています。このイソフラボンは、エストロゲンとよく似た作用を持っています。その働きは女性ホルモンの1 /1000 ~1 /10000 とたいへん穏やかで、フィトエストロゲン(植物エストロゲン)とよばれています。

  通常、大豆中のイソフラボンは配糖体として糖と結合した形で存在しており、体内で吸収される時には、腸内細菌のもつ酵素で切り離し、アグリコンの形の変える必要があります。そこでこの糖と結合していないアグリコン型大豆イソフラボンの形でサプリメントとして一般に販売されています。

Q :どういう症状の方に向いていますか?
 「更年期症状が弱いケース、3年以上 HRT (ホルモン補充療法)を行った患者の維持療法、 HRT 休薬期間中のつなぎとして、また若年患者の月経前症候群、などのケースに内服を勧めています。

Q :効果はいかがでしたか?
 当院のイソフラボン投薬患者のデーターでは、更年期症状の緩和がみられました。
特に ホットフラッシュに対して有効 でした。
 投与直後の患者 血清コレステロール値や血圧が低下 し、さらに 骨の代謝も 4 週間の投与で有意に改善 しました。

 確かに、更年期症状の強い患者さんには有効ではありませんでしたが、軽症患者では十分な効果がありました。また、内服期間中、不正出血や乳房緊満感などは無く、胃腸障害もほとんど認められませんでした。
 月経前症候群を訴える患者さんに関してはなかなか有効で、半分以上の患者さんには、効果がありました。

  現在、月経前症候群に対しては、ホルモン治療以外では、安定剤か抗鬱剤が有効といわれていますが、安定剤や抗鬱剤の場合、投薬されることに抵抗がある患者さんが多くおられるようですので、イソフラボンが有効であれば患者さんの抵抗も少なく、特に若年患者には受け入れやすいようです。ただし、イソフラボンは取り過ぎないよう、基準値は一日 30 mg(体内に吸収される「イソフラボンアグリコン」の量に換算)まで、ということが 2006 年食品安全委員会により目安として設定されています。

Q :更年期障害以外に何かいい効果はありますか?
 大豆イソフラボンの他の効果としては、美白、美顔効果があると言われていますが、実際に使用した患者の数人はなんとなく美しくなったとよろこんでおられました。また、イソフラボンは、女性ホルモンが多くあるときにはその作用を抑制する作用が現れ、ホルモン依存型の乳ガンや前立腺ガンに予防効果があると言われています。

  ホルモン補充療法の乳がん促進作用を危惧する患者さんにとって、 HRT 休薬期間の維持療法として受け入れやすいでしょうね。
 又、若年者の月経前症候群にも使いやすいサプリメントです。

Q :費用はどのくらいかかりますか?
 値段は最低のもので1700円(一ヶ月)はかかります。

Q :副作用はあるのでしょうか?
 どんなに、身体にいいと思われるものでも、大量に摂取してしまうと、副作用・弊害がでてしまうものです。
 イソフラボンの副作用について文献的にはあまり書かれていませんが、クリニックでの印象では、下痢をおこすことが時々あるようです。
医師や、薬剤師に相談して、素人考えで大量に摂取しないようにしてほしいですね。

Q: イソフラボンだけで、治療ができるのでしょうか?
 更年期患者の場合、まずイソフラボンで開始しても、そのうち症状が抑えられなくて HRT になることは当然のことなのです。しかし、 HRT の副作用を危惧される患者の手始めの治療として、また長期治療となる場合の休薬期間の維持療法や HRT 終了時の継続療法としてこの大豆イソフラボンを使うことは、更年期患者の HRT の導入、維持に非常に有効です。 


 
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